玄海灘にぽっかり浮かぶ壱岐の島。海産物の新鮮さは折り紙つきのこの島では、ほかとはちょっと違う目を見張るようなグルメがあります!
魚好きなら食べてみて!骨まで食べる「アジの背切り」
背切りなんて初めて聞いたという方も多いはず。海の多い長崎でも一部の漁師町や島でしか食べられていない食べ方なんです。
私が背切りに初めて出会ったのは近所の居酒屋さん。先に壱岐に来ていた主人が刺身として頼んだ物は、なにやらいつもと様子が違う。ぺラリとした切り身が山と盛られているのです。箸でつまみ上げると、なんじゃこりゃ!魚を骨ごと輪切りに切っている!
魚の小骨は苦手な私はこんなの無理!と思いましたが、ものは試しと食べてみて驚きました。骨はクチッとした食感がいいアクセントになる程度で硬さを感じません。逆にその食感が癖になるようで、骨の間の旨み成分がジワッとしみ出てアジの身の甘さを引き立ててくれます。アジが甘い~!
背切りにするのは獲れて半日以内の新鮮なアジです。そうでなければ骨が硬くなってしまうとのこと。
島でもいけす完備の居酒屋でしか提供しないので、探して行ってみてください。
私のおすすめはここ↓
炉ばた焼 磯ぜん 電話 0920-47-3544
10キロ越えなきゃブリじゃない?脂がのった特大ブリ
次に紹介するのは、壱岐が誇る天然ブリです。
ブリなんてどこにでも売ってる?いえいえ、普通店頭に並んでいるのは養殖もののブリです。壱岐では珍しい一本釣りでブリを釣り上げており、その中でも10キロを超えたものを「特マル」と呼んでいます。壱岐に住む人たちは「10キロ超えなければブリは美味しくない」と言い切ります。
スーパーでその塊を見た時は、これはほんとにブリなのか?と疑いました。
まずでかい!それもそのはず、通常のブリは7、8キロですが壱岐ではその倍の15キロオーバーもしばしば。切り身も当然、倍の大きさで、手に持つとズッシリ!そして見た目もちょっと違います。身のサシの部分に赤みを帯びているのです。養殖ものは白っぽく脂がテカテカしていますよね?天然ものはサシは入っているのですが赤みがあり、しっとりした様子で、最初は私も美味しいのかなぁと疑問に思いました。
しかし食べてみると!身にはコリッと歯ごたえがあり、脂がサラリとしていて身の味が濃く甘いのです。天然ものは養殖ものよりもよく動くので、脂身にも筋肉質が入るのです。これはうまい!
私は壱岐でこのブリに出会って以来、ほかのブリを食べたいと思えなくなりました。12月から2月の上旬まで特マルは壱岐のあちこちで見られます。その大きさと美味しさにびっくりしてみてください!
こんな売り方あり?ウニはスプーンですくって食べるもの!
最後に紹介するのは、壱岐を代表する名物、ウニです。
壱岐では海人さんが海に潜って捕る漁が5月ごろ解禁となり、バフンウニ、ムラサキウニ、赤ウニの順に旬を迎えます。特に赤ウニは最高品種とされ値段もお高めですが、ほかのウニよりも甘みが強く、こってりとしたコクがあります。
それは昨年の夏の事。
お盆の帰省で、主人の母親が大好きなウニをお中元代わりに持って帰ろうとした時のことでした。帰省の当日の朝、飛行機に乗る前に引き取りに行くと、20×10センチほどの大きなタッパが出てきました。ウニがタッパに入ってる!!
もちろんその夜はウニ丼三昧。スプーンですくってウニを食べるなんて、なんて贅沢!主人の実家と私の実家、両家で分けていい親孝行ができました。
壱岐では当たり前と思われているこんな光景も、島外から来た私には驚きの連続でした。
まだまだ壱岐初心者。これからどんな出会いが待っているか楽しみになる出来事でした。