ある日曜日の午後、ご夫婦(旦那さん(58歳)奥さん(56歳))が住む一軒家を訪ねお話を伺いました。
壱岐へ移住しようと思ったのは、ご主人が40歳くらいの時から離島に住みたいという強い思いがあったからです。それも、人口300人くらいの島。なぜ300人なのか聞いてみると、小さければ小さいほど温かみのある島だろうと考えていたそうです。また、島巡りも、佐渡島、沖ノ島、屋久島、種子島といろいろ経験されている中、人口2万7千人の壱岐を選んだ決定的理由は、夫婦の今後のことを考え、病院施設が整っている島がよいだろうということだったそうです。
まず、住まいを決めるため、壱岐の(島内)不動産屋に紹介してもらったマンションの契約直前にハプニング。それは「このマンションでは犬や猫のペットは飼えませんよ」の一言。家族同然の猫と一緒に移住すると決めていたご夫婦は、そのマンションを断念し、後日漁師町にある一軒家を購入されました。
ご夫婦は、平成24年の4月中旬に壱岐に移住されました。なぜ、4月中旬だったのか尋ねると、3月は引っ越し費用が高く、3月に引っ越しをした場合は100万円を超えるますが、4月中旬になると70万円くらいになるそうです。はじめは観光したり、防波堤巡りをしたり壱岐を楽しんだそうです。また、壱岐にコンビニができたのも同じ時期だったので不便はされていないそうです。
次に、家の前の土地に建っていた小屋を解体して、畑にし、今まで経験したことがない野菜作りにチャレンジ。まずは、土作りからはじめることに。溝の土や市が売っている肥料や草を焼いた灰を混ぜたりと本格的。土を作るのに1年かかったそうです。野菜を作ったことがなかったので失敗しながら試行錯誤の繰り返し。現在は、野菜畑とプランターに立派な野菜が育っていました。今挑戦されているのは、大根。まだ、いびつな形の大根しかできないので、格好いいものを育てたいと意気込みも充分。
「みんな親切にしてくれるで~」と香川弁で話すご主人さん。どんな親切か聞いてみると、魚船が入港し「おいで~」と呼ばれて行くと、魚をいただくことが度々であること。近所の方からお米をいただけることもあるそう。また、椎茸を山で栽培されている方からは、椎茸を出汁にして瓶詰めにしていただくそう。周囲からとても大事にされているのが身をもって感じられるそうです。近所の方も、小野さんの人柄に惹かれているのではないかと話を聞いていて感じました。
最後に、今は夫婦一緒に幸せに暮らしており、これからも、釣りやそば打ちの趣味を続けたいと笑顔で話されました。