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[ 壱州人辞典 No.84](株)丸昇水産:川添啓司

-廃業する水産会社(丸昇水産)を事業承継し、再生。3年目の令和3年2月1日に法人化。現在は代表取締役を担っている。看板商品のエビフライはSNSを使った販売方法で人気を博し、今では販売開始から5分程で完売する。家業は川添工務店。経営不振でマイナスからのスタートだったが、まず立ち直すことから始めた。経営と打ち合わせ、設計デザイン、発注も行っている。現在はインテリアデザイナーとして務め、7年間の実務経験を経て設計士の資格を取れるようになるために、それに向け勉強をしている。大学3年生から卒業までの約1年間、心身を鍛えるためにムエタイ式のジムに通うことになり、その流れで3か月程度タイにて修行をしていた。芦辺町出身。-

 

 

Q1.壱岐に帰って来る前はどんな仕事をしていましたか?

元々小さい頃からの夢だった消防士になるために高校卒業後、大阪の学校で消防の勉強をしていました。その時に経済や法律を学ぶ授業もあり、起業や経営に興味を持ちました。消防士になりたいという夢を追って大学へ行かせてもらったこともあり、北九州市消防局と壱岐市消防本部で23歳から計7年間勤務しました。

消防士を辞めて、家業や水産会社を継ぐと決めた時には「なんで公務員辞めたん?」「もったいないことしたね!」とすごく言われましたね。それに対して「3年以内にはその言葉を変えてやる!」というモチベーションに繋がりました。正直結構きつかったですが、そのおかげで今があります。その人たちに今では「今が正解やったね。」「よくやってるね!」と言われるので、嬉しいですね。独立後の一つの目標にしていたところもあるので、達成できて良かったです。

今は「公務員を辞めると、もったいない」と言われているところを、「若い世代が起業したら良い」というアピールをしていきたいですね。それに自分が辞めることによって、消防士の採用枠が1つ増えるので、島に残る子も一人増え、島のためにはもったいなくなかったと自分は思っています。

 

 

Q3.今の仕事を始めたきっかけは?

「地元孝行」と「親孝行」ができれば良いなと思って始めました。

丸昇水産を事業承継したのは、小さい頃からここへ亡き祖父とよく遊びに行き、ここの干物を食べて育ったからですね。廃業する話を聞いた時、祖父との思い出が蘇ってきたことや地域の人たちがここを利用していたこともあって、私を含め廃業することを残念がっていらっしゃる方も多く、守りたいと思いました。

あとはスタッフが60歳を超えていて次の就職先がないので、そこを守りたいと思ったからです。

エビフライは丸昇水産に元々あった商品ですが、多くのお客様に喜んでいただけるよう、製造方法や原料等を変更するなど、研究・開発を進めて、今にたどりつきました。

家業の方は現在インテリアデザイナーとして務めていますが、7年間の実務経験を積むと設計士の資格を取れるようになるので、父が70歳になった時に資格が取れるというタイミングで事業承継する形で計画しています。

 

今後は新築の依頼がひと段落ついたら、空き家をリノベーションして販売することや空き家店舗の再生も考えていきたいですね。自分の住む瀬戸浦地区には空き家も多いので、地元の人と協力して、そこを変えることで少しでもにぎやかになって、町を守っていけたら良いなと思っています。

自分の中で新しいものを作りたいというよりも“地元の人の要望”や“瀬戸浦で何かをしたい”という人のフォローをできたら良いなと考えています。それが自分のモチベーションにも繋がります。

 

どちらの仕事でも地元のため、家族のためにもなって、「ありがとう」という言葉を聞けるので、それがやりがいですね。

 

Q4.あなたにとっての壱岐を一言で表すならなんですか?

「自分の可能性を信じて、挑戦できる島」ですね。

周りの人達がサポートしてくれることや、都会と違って、良いも悪いも噂で広がっていくので、良い商品を作ればバーッと広がってくれますね。それが支えにもなっています。自分を信じて挑戦できるのが、壱岐の良いところだなって思いますね。

 

壱岐に来て事業をしたいという想いがあれば、後押しできるようなサポートをしていきたいと思っているので、声を掛けてもらえたら一緒に頑張りましょうと思っています。

Photo by 髙田望


【壱州人辞典とは】
地元出身者・移住者・年齢・性別問わず、“壱岐に住む(暮らしている)人”を紹介していく企画です。
壱岐島の良さを伝えるには、その地に暮らす人にフォーカスを当てることが大切だと考え、魅力的だと感じる人を紹介していくことで「この人に会ってみたい。」「この人に 話を聞きたい。」という興味を持ってもらい、人が人を呼ぶようなサイクルを作りたいと思っています。
人から人へと辿っていくことで、私たちが知らない、壱岐の人もあまり知らない面白い人に出会いました。
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壱州人辞典 | いきしまぐらし 【壱岐市公式】 – Part 7 (ikishimagurashi.jp)

≪この記事を書いた人≫

はんこさん

福岡県出身・宮古島育ち。けしごむはんこ作家と壱岐市地域おこし協力隊として活動。
壱岐での愛称は「はんこちゃん」

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