ー中学生のころサッカーと出会う。現在 働きながら、壱岐SSCの監督、壱岐市スポーツ推進員としての活動も行っている。「島から夢を、島でも夢を」をモットーに壱岐の子どもたちの未来を照らす。壱岐市芦辺町出身。ー
Q1 壱岐で今どんなことをやっていますか
現在、【石田スポーツセンター】に勤務して施設管理をしており、子どもから高齢者まで多世代の人と関わることができます。今後は障害者の方や高齢者が気軽に運動できるような空間(場所)になると良いと考えています。
仕事の後は壱岐SSC(以下クラブ)の監督をしており、週の半分以上はクラブの指導が21時まであります。
Q2 島外からの移住者に対してどのような印象を抱きますか
積極的な人が多い。実はクラブが誕生するきっかけになったのも東京から移住してきたお母さんが「息子にサッカーをさせたい!!」「私が生徒を集めますから!!」と言って来られたことがきっかけです。
クラブにも移住して入ってくる子もいます。島の子との表現の違いが面白いです。島の子は割とおとなしい子が多いので、移住してきた子が喜びや悔しさを全身で表す姿に驚かされます、良い刺激ですね。
また移住してこられた保護者さんの考え方やアイデアなど参考にさせていただくことが多いです。「○○でなくてはならない」「前が○○だったから」みたいな島ならではの考え方とは違ったものがあります。
Q3 島ならではと思うことはありますか
練習試合がほとんど出来ない、島内に1チームですから。都会では土日ともに試合や練習試合で、休みがほとんどないという場合が多いそうです。僕たちは概ね土日のどちらかは休みで、家族との時間を持てるという良い点もあります。
また壱岐では小学校での部活(バレーや野球など)が盛んで、両立している子も多くいます。練習日も島外のチームと比べると少ないです。このような環境、限られた時間の中でも子どもたちは結果を残してくれています。
クラブって、わざわざ入らなくても良いのに入る。本当にサッカーがしたくて集まっているから、頑張れるし強くなれるんだと思います。また子どもが選んだスポーツをさせている保護者は、子どものしたいことを尊重している。そんな保護者に支えられているから、クラブの活動がうまくいくんだと思いますよ。夕食準備と重なる送迎の時間を考えると、小学校で部活してくれた方がどれだけ楽なことか。
Q4 これから壱岐でどんなことをやっていきたいですか?
「島から夢を、島でも夢を」っていうのを僕自身いつも思っていて、それを子どもたちに伝えていきたいです。「島だから出来ない」っていうのが一番嫌なんです。島にいてもちゃんと学べて、夢を叶えるために将来の準備がきちんとできる。僕自身就職後、休みの日に何度も島外へ通って審判免許や、JFA公認Bコーチ資格取得しました。それから経験を積み、全国大会での審判も経験しました。今も僕だけでなく、クラブのコーチ陣もスキルアップのため島外へ学びに出ることも多いです。
教え子の中には日本代表候補(エリートキャンプ)に選ばれて参加した子がいます。先日、彼女が出場する九州高校新人女子サッカーが会ったのですが、コロナの影響で無観客試合で応援にいけないので、審判として潜入しました(笑)。また長崎県の総体ではベスト4に進出したチームに3人の壱岐ssc出身者が所属いました。中学まで部活とサッカーを両立していても活躍できるんだぞって、後輩たちに示してくれています。
また壱岐市のスポーツ推進員としては、「スポーツを広い視野で」と思っています。スポーツが地域の中で果たす役割を考えながら活動していきたいです。
スポーツ×福祉、スポーツ×環境問題など、スポーツと何かを掛け合わせながら活動することが、裾野を広げるという意味でも必要だし、競技の発展にも繋がると思っています。例えば、スポーツ×経済。スポーツ合宿をすることで壱岐に人が来て経済が潤い、壱岐を知ってもらうきっかけにもなるみたいな相乗効果が生まれる。こういうことを増やしていきたいです。
Q5. あなたにとって壱岐とは?
「がんばれる原動力」です。
上手くいかないこと、きついと思うことも正直あります。楽しんでくれる壱岐の子どもたちがいることが頭に浮かぶと頑張ってしまうんですよね。
ボールを蹴るのが楽しい、シュートを決めてることが楽しい、仲間と勝利することが楽しい、思うようにプレー出来ず悩んだけど出来るようになったことが楽しい、色んな「楽しい」の成長を見届けたいと思う気持ちが強くあります。
Photo by 髙田望
【壱州人辞典とは】
地元出身者・移住者・年齢・性別問わず、“壱岐に住む(暮らしている)人”を紹介していく企画です。
壱岐島の良さを伝えるには、その地に暮らす人にフォーカスを当てることが大切だと考え、魅力的だと感じる人を紹介していくことで「この人に会ってみたい。」「この人に 話を聞きたい。」という興味を持ってもらい、人が人を呼ぶようなサイクルを作りたいと思っています。
人から人へと辿っていくことで、私たちが知らない、壱岐の人もあまり知らない面白い人に出会いました。
~壱州人辞典一覧はこちらから~