- 1940年、長崎県南島原市北有馬に生まれる。男性6人、女性4人の10人兄弟の9番目。中学校2年生の時、父を原爆被害で亡くしている。鹿児島大学農学部を卒業後、自衛隊に入隊。その後、九州各地の大学生活協同組合運動の再建に従事。夜間の九州バプテスト神学校へ72歳で通い始め、2019年、79歳で卒業。卒業と同時に妻のいる壱岐教会で牧師に就任する。現在は毎週のお説教を夫婦で交代しながら説いている。妻は壱州人辞典No.12の飛永永子さん。-
Q1.初めて壱岐に来た時の感想は?
私は初めて来島した時、自分の田舎と共通している部分があるなと思いました。実家も百姓だったので、ここは良いなぁと思いました。
福岡から1時間で行けるので、福岡県内だと思っていましたが、来てみたらやっぱり田舎だなと思いました。私も島原の田舎育ちですが、温泉に行ってみて他の人の会話を聞いても全くわからなかったです。
Q2.壱岐の好きな場所はありますか?
ここ(教会)から見る景色と空気ですかね。以前は教会の前に竹藪がありましたが、今は刈り取って、芝生も手入れしたので景色がとっても良くなりました。時期になると菜の花を楽しむこともできます。
私はここを最期にしても良いかなと思っています。空気も良いし。福岡に行ったら鼻炎がひどくなります。福岡に近づく10分前くらいになったら、くしゃみが始まります。笑 だから良いところに来たなと思って、地域奉仕も兼ね、せっせと自分の住む場所と周りをきれいにしています。
それに妻は女性なりの苦労がたくさんあるけど、逆に言えば、男の自分は苦労がないんですよ。でもやっぱり彼女を見ていると、時々きついんだろうなとハラハラします。
Q3.島ならではと思うところはありますか。また、どんなところですか?
感覚の違いを感じています。「女の牧師」を受け入れてくれないんです。私が行えば何の問題もなく通ることも、彼女(永子牧師)が行うと、なかなか通りません。3倍くらいの苦労をしないといけないんです。福岡であればなんてことない部分ですが、“男の自分が言えば通ることが、彼女が言うと通らない”、そういうことがよくあります。
どこの教会でも女性牧師の方が苦労するという傾向はありますが、田舎ならではの発想の順序や習慣みたいなのがあるようで、色々含めるとやっぱり田舎なのかなと思います。福岡の郊外だと思っていましたが、たった1時間のここで、こんなに違うんだと思いました。
そういうこともあって彼女に教会の代表になってもらっています。この教会では今話したことが改善されるまでは彼女が代表です。そこは譲らない。
Q4.あなたにとっての壱岐を一言で表すならなんですか?
「空気がきれい」
こんなに良い空気のところはないです。鼻炎もあるので助かっています。
※日本バプテスト連盟では、身分制ではなく職務制度で招聘をされたら牧師である。教団でなにかを決める時には、性別や年齢、入信した期間を問わず、みんな1票ずつ持っており、徹底した民主主義で成り立っている。その代わりに信者同士でお金を出し合い、牧師への給料を支払い、牧師を招聘している仕組み。壱岐キリスト教会は1953年に設立されている。
―飛永さんご夫妻説明参照―
Photo by 髙田望
【壱州人辞典とは】
地元出身者・移住者・年齢・性別問わず、“壱岐に住む(暮らしている)人”を紹介していく企画です。
壱岐島の良さを伝えるには、その地に暮らす人にフォーカスを当てることが大切だと考え、魅力的だと感じる人を紹介していくことで「この人に会ってみたい。」「この人に 話を聞きたい。」という興味を持ってもらい、人が人を呼ぶようなサイクルを作りたいと思っています。
人から人へと辿っていくことで、私たちが知らない、壱岐の人もあまり知らない面白い人に出会いました。
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