-高校卒業後は佐賀の短大に進学し、その後飲食店に就職。Uターン後に開業したトロルの看板メニューの一つ「壱岐牛ハンバーグ」は、長崎県特産品新作展にて奨励賞受賞の実績を残している。トロル店主としての顔だけでなく、書の現代美術作家としても活動しており、全国の展覧会に出展したり、個展を開催したりとマルチに活躍する。壱岐市出身。郷ノ浦町在住。-
Q1. 壱岐に来るまでは何をしていましたか?
佐賀にあるレストランBARで働き、仕事の傍ら音楽活動を行っていました。壱岐には結婚と妻の出産を機にUターンし、ちょうどそのタイミングで、現在のトロルの店舗となる居抜き物件の話をいただいたんです。Uターン後の仕事として飲食業を考えていたので、それを機に「洋食と珈琲の店トロル」の開業を決意しました。
ただ、これまで続けてきた音楽活動に関しては、自身の想いを音楽だけで表現することに行き詰まり、別の表現としてアートの世界にシフトしようと考えました。ほぼ素人からのスタートでしたが、仲間の支えもありアーティストとして多くの経験を積むことができ現在は飲食店経営だけでなく、書の現代美術作家としても活動しています。
Q2. 壱岐にこれがあったら(出来たら)良いなと思うものはなんですか
クリエイティブな人材が増えていくと嬉しいかな。
ジャンルは何でもいいんですが、現状、若者が自らカルチャーを創出していく環境があまり整っていない気がしているんですよね。もし、そうした場所が整備されて「壱岐に帰ってきても○○はできる」と若者らが思えるようになれば、Uターンはもちろん、Iターン増加にもつながって、壱岐はもっと盛り上がるんじゃないかなと思います。
Q3. 島外との違いを教えてください
同じ類の仕事でも、壱岐で活動しているだけでプラスに見てもらえることですね。これは料理、アート関係なく多くの仕事に共通していると思います。
「離島でその仕事をするの?すごいね!」と不思議に思われることがあるんですが、確かに、離島という環境だと都心に比べて必要なモノがすぐ手に入らないといった、制限はあると思います。
ただ、こうした限られた環境の中で商品や作品をつくるとき、モノに満ち溢れた環境では生み出せない新たなインスピレーションを得ることができると思うんです。私にとっては、この限られた環境下でなんとか自分の想いを表現しよう、というところに面白みがあるんですよ。壱岐の環境を不便なように思う方もいるかもしれませんが、この不便さによって私は多くの刺激を受けているので、島の環境に感謝ですね。
Q4. 休日の過ごし方を教えてください
休みは寝ているときだけで、それ以外は料理やアート、クリエイティブなことに時間を割いています。
若い頃は暇を持て余して、ひたすらゲームをしたり、何の生産性もない時間を過ごして罪悪感に苛まれることもありました。当時に比べると、今は比べ物にならないくらい1日中動き回ってますが、自分で選んだ好きなことを1つ1つこなしていくのは、ゲームのステージをクリアしていくような感覚で楽しくやっています。
仕事に、家庭にと毎日忙しいですが、今の方がとても充実した時間を過ごせていますね。
Q5. あなたにとっての壱岐を一言で表すなら
「いろんなモノを貰うことができる島」かな。
それはアイデアだったり、インスピレーションだったり、ヒトそれぞれで受け取る物は違うと思いますが、この島でしか得られないものがあると思います。もちろん実際に生活するとなると、いいものだけじゃなくて、たくさんのヒトと関わる中で大変なこともあります。
だけど、島ならではの制限された環境でしか培うことができないものを私はたくさんもらって、その結果自身の創造力を磨き上げることができているので、クリエイティブなことに挑戦したい人にとってこの島は、魅力にあふれた環境かもしれないですね。
Photo by 髙田望
【壱州人辞典とは】
地元出身者・移住者・年齢・性別問わず、“壱岐に住む(暮らしている)人”を紹介していく企画です。
壱岐島の良さを伝えるには、その地に暮らす人にフォーカスを当てることが大切だと考え、魅力的だと感じる人を紹介していくことで「この人に会ってみたい。」「この人に 話を聞きたい。」という興味を持ってもらい、人が人を呼ぶようなサイクルを作りたいと思っています。
人から人へと辿っていくことで、私たちが知らない、壱岐の人もあまり知らない面白い人に出会いました。
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