皆さんは壱岐市の「ゆず生産組合」をご存じでしょうか。地域おこし協力隊の下條です。
壱岐の特産品である「ゆず」は、島内で生産されているゆずのほとんどがゆず生産組合にて買い入れされており、加工と販売もゆず生産組合が行っています。代表的な商品で言うと「ゆべし」や「ゆずの香」など、皆さんも一度は口にしたことがあるのではないでしょうか。このゆず生産組合ですが、近年では高齢化が進み、今では平均年齢が75歳前後となり組合の存続が危ぶまれています。
今回はそんなゆず生産組合に、地域おこし協力隊の下條が体験取材を行いましたのでぜひご覧ください。
■工場の作業スケジュール(日によって若干異なります)
06:00 – 07:00 コンテナの積み下ろし、ゆずの洗浄作業
07:00 – 07:30 休憩
07:30 – 09:30 ゆず処理作業(皮むき、キズ取り、搾り、果肉と皮の仕分けなど)
09:30 – 10:00 休憩:お茶とお菓子で一息
10:00 – 11:30 ゆず処理作業(皮むき、キズ取り、搾り、果肉と皮の仕分けなど)
11:30 – 13:00 お昼休み
13:00 -14:30 ゆず処理作業(皮むき、キズ取り、搾り、果肉と皮の仕分けなど)
14:30 – 15:00 休憩:お茶とお菓子で一息
15:00 – 16:00 ゆず処理作業(皮むき、キズ取り、搾り、果肉と皮の仕分けなど)
【コンテナの積み下ろし、ゆずの洗浄作業】
ゆず生産組合の朝は早いです。朝日が昇る前から光を灯しながら作業が始まります。
ゆず農家さんから運ばれてくる約1.5トンのゆずをどんどん洗浄していき、ゆず処理の準備をします。ゆずはコンテナにびっしり積まれているため、総重量が約20キロとなり、このコンテナが百箱近くあるのでかなりの重労働です。
【ゆず処理作業(皮むき、キズ取り、搾り、果肉と皮の仕分けなど)】
朝一で洗浄したゆずをそれぞれ担当に分かれて作業を行います。
皮むき作業:皮に傷のないAランクのゆずは、皮と実を切り分けていきます。この皮はマーマレードなどに活用されます。

キズ取り作業:傷が少しあるBランクのゆずは、包丁で細かな傷を取り除き、果汁を搾った後に果肉と皮を取り分けて、皮を加工品の材料とします。
搾り作業:ゆずの果汁を搾る作業
果肉と皮の仕分け:キズ取りをしたゆずの綺麗な皮を加工品に使うため、搾った後の果肉を手作業で取り除く作業
皮に傷が多数あり、加工品としての活用が難しいゆずは、搾った後は堆肥としてゆず農園に撒かれているようです。
上記の作業の他にも、加工品の製造・出荷・配送などの作業があります。体験取材した日は加工品の製造作業はなかったのですが、在庫が少なくなると冷凍庫にて保存している原材料を活用して、随時製造されているようです。
ゆず生産組合では、年間約16トンのゆずを原材料処理しており、一日で約1.5トンものゆずを処理していくため、今回のような工場作業は年間でも十数日ほどしかありません。これは完熟したゆずは腐食が早く、迅速に処理していかないといけないためです。加工品も商品の売れ行きに合わせて製造をしているため、年間で安定した作業がゆず生産組合にはなく、組合として人を雇用するのも難しい状況です。
継ぎ手が見つからないことから世代交代ができず、組合の高齢化は進む一方。今では組合の存続すらも危険な状況になってしまっています。壱岐の特産品の1つが近年にはなくなってしまう可能性すらある状況なのです。
このような話はゆず生産組合に限った話ではなく、島内の他の事業者や団体でも同様な状況だと聞きます。地域おこし協力隊1人の力では解決できる課題ではないと思っていますが、少しでも皆さんに実情を知っていただけるよう、これからも島内の情報発信は続けていきます。
課題は多くありますが、壱岐のゆず生産組合には可能性も多くあると思っています。活用していない時期の工場の有効活用、廃棄している部分の新たな活用方法、島内の空地にゆずを植えて土地の有効活用、マルチワーカーやスキマバイトの雇用の場など、組合とは別の外部の事業者や団体などと上手く協働していく形で、組合存続の可能性も生まれてくるのかなと思ったりもしました。
ぜひ、ご興味のある方は、ゆず生産組合存続のためにも協働などのご検討をお願いします。個人の方でもボランティアなどの形で働くこともあると思います。壱岐の特産品がなくならないよう、私個人としてもこれから考え続けていきたいと思う取材となりました。





















