-壱岐高校卒業後、看護師を志し進学。さらに進学し、保健師と養護教諭の資格を有する。その後福岡の病院で働き、今後を考えていた時にピースボート(※1)に出会う。仕事を辞め、25ヶ国ほど旅をして世界一周する。その旅の途中で夫と出会い、遠距離恋愛を経て結婚。妊娠中の不調をヨガでコントロールできたことから、セルフケアに興味を持ちインストラクターを取得し、現在島内各地でレッスン中。芦辺町出身・在住。-
(※1)NGO(非政府団体)によって設立された国際交流活動、又は船舶旅行の名称を指す。
Q1.壱岐へUターンをして帰ってきた時にどう感じましたか?
学生の時は“なんにもない”って思っていました。学校で勉強したり、友達と遊んだりして家に帰るだけの生活だったんですけど、社会人になって時間やお金の自由も得て、いろんなところにも行ったけど、壱岐に戻ってきて“結局自分の気持ち次第なんだな”って思いました。
埼玉だったら子育てもストレスフルだったと思います。特に下の子のイヤイヤ期と感染症蔓延時期が重なって、外に出られない状況でずっと家の中に2人で居てって思うと、きっと気がおかしくなっていただろうなって想像はします。
壱岐では子どもを連れて、すぐ海に行けて、思いっきり走って遊ばせる公園も近くにあってありがたい環境だったんだなって実感しています。私は実家もあるから、すごく助かっています。
Q2.島に帰って来る時に不安だったことはなんですか?
私の中で「田舎で子育てしたい」っていう想いがずっとありました。でも主人はとっても不安だったと思います。
同世代の友達は東京で働いているから、壱岐と東京の給料の差にショックは受けていることもありました。でも関東にいたら誘惑が多くていっぱい消費しちゃうけど、壱岐は仕事が終われば、子ども達も家にいるのでそのままスッと帰ってくる。だからそんなにお金もいらないかなって思います。
Q3.これから壱岐でどんなことをやっていきたいですか
もともと看護師ということで健康に興味がありました。特に食事は子育てをするようになって、今まで気にしてこなかったけどオーガニックや農薬の使われていないものを意識するようになりました。
でもそればかりではなくて、生きていく上で環境問題は大きな問題で、健康にとっても大事なことです。そこで、自分で何かしたいと強く思った時にkokebee(※2)に出会い、みつろうエコラップや草木染めのワークショップを始めたんです。環境とか食とか、お金も全部循環だなと思っています。有るところには大量に有るけど、無いところには無い。そういうところが上手く回るような、愛を循環させられたら良いなって。綺麗事かもしれないけど、そういう想いがあって、そういうところを軸に活動しています。
それで「わたしがつくる 小さな循環で 明日の地球をHAPPYに」という気持ちで、循環型の暮らしを実践しています。よく“ひとり変わったくらいでは微力すぎて変わらない”と言われるのですが、私なりに伝えていくことで、少しでも、気持ちを寄せてくれたり、買い物する
ものが変わったりと、微力ながらでも続けていけたら、いつか大きな力になると思っています。
(※2)オーストラリア在住の日本人女性達によって経営されている。オーガニックで安心できる暮らしづくりを推奨し、オンラインショップやワークショップ等を行っている団体。
Q4.あなたにとっての壱岐を一言で表すならなんですか?
私の中で癒されている感覚がすごくあって、だから「癒しの島」かな。
時代は変わっているけど自然は変わらないなって思っていて、壱岐の魅力を大人になってすごく気付いて。モヤモヤしていることがある時や、本調子じゃない時に、ただ裸足で海に行く。それが気軽に行けることが最高だなって。関東の方の砂浜が黒いことにもびっくりしました。海外も行った場所によっては黒っぽいところもありました。それで壱岐ってすごいやん!って思いました。
今は“サスティナブル“を意識して暮らしているんですけど、それを知ったのは10年前くらいでした。それを知ってからも現実に戻ったら、現実に染まってあまり取り組めていませんでした。壱岐に戻って来て、ゆっくりと自分と向き合って、時間はかかったけど今は自分が心から喜べるお仕事や暮らしができていて私は幸せだなって思っています。
それは主人が理解してくれたことから始まって、周りにも助けられて、感謝しています。
Photo by 髙田望
【壱州人辞典とは】
地元出身者・移住者・年齢・性別問わず、“壱岐に住む(暮らしている)人”を紹介していく企画です。
壱岐島の良さを伝えるには、その地に暮らす人にフォーカスを当てることが大切だと考え、魅力的だと感じる人を紹介していくことで「この人に会ってみたい。」「この人に 話を聞きたい。」という興味を持ってもらい、人が人を呼ぶようなサイクルを作りたいと思っています。
人から人へと辿っていくことで、私たちが知らない、壱岐の人もあまり知らない面白い人に出会いました。
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