ーテレワークで多様な仕事をこなしながら、福岡から1時間の自然溢れる別世界に魅力を感じ2020年に壱岐へ移住。自給自足を志し、畑でオーガニック野菜を栽培。群馬県出身 郷ノ浦町在住ー
Q1. 壱岐に来るまでは何をしていましたか
留学エージェントを運営していて、福岡を拠点に海外と日本を行き来する生活で、年間200日以上は出張するという多忙な日々を送っていました。
群馬県で生まれ育ち高校を卒業後、上京し15年ほど東京で暮らしていました。小さい頃から都会に憧れがあり、東京が一番だと思ってきました。そんな中、当時セブ島へ留学したことをきっかけに留学エージェントを立ち上げました。その仕事で日本や海外の様々な地域へ行く機会が増えました。地方には自分の知らない世界が広がっていると、価値観が変わっていったんです。そして拠点を福岡に移しました。
Q2. 数ある離島の中でも、壱岐に移住したきっかけはなんですか
昔から一緒に仕事をしている関東出身の友人が壱岐に移住していたことです。
一度来てみると、福岡から1時間で別世界にたどり着いて本当にびっくりしました。自然溢れる環境と壱岐産の食材の美味しさに感動しました。ここなら仕事を続けながら、豊かな生活が送れると思いました。
すぐに移住を計画しましたが、家が見つからない!!改修すれば住めるというところはあったのですが、移住と改修を同時にする事は難しいですよね。なかなか住居が見つからなくて、移住の計画は一向に進まない状況が2年ほど続きました。
そんな中、コロナ禍で留学エージェントの仕事が全くなくなり、精神的にも参ってしまって、壱岐に住む友人宅へ長期で滞在させてもらうことにしました。
生活をしてみると、きれいな空気と美味しい食べ物、そして人の優しさに触れ、落ち込む気持ちもだんだんと癒されていきました。また、仕事をするうえでネットも繋がるし、特に困ることがないこともあらためて確認出来ました。「こりゃもう壱岐に移住するしかないな」と思った矢先に偶然にも家が見つかりました。
Q3. どんなことをしているのか教えてください
・福岡市内のデザイン事務所 ブランコ株式会社にてディレクター(リモートワークで月2回は出社)
・海外留学エージェント(イングリッシュバード)
・オンライン英会話サポート
・SNS発信のコンサルティングと個人のブランディング(media.me メディアドットミー)
・Re島プロジェクト 壱岐担当ライター(壱岐市観光課)
などなど。
どの仕事もオンラインで出来る仕事なので、テレワークをしています。単純に人が少ないので、どこにいても静かで集中できます。
自宅から15分のところにある海で折り畳みの机と椅子やござを広げて、パソコン作業をすることもあります。仕事を始めると、自分がどこにいるのかなんて忘れてしまうのですが、ふと聞こえる波の音や風、景色に癒されます。1人で仕事をしていると煮詰まることもあるのですが、気分転換に海に来て、ここまで仕上げようと決めて作業をするとはかどります。
仕事以外では”自給自足”を志して野菜作りをしています。
畑に関して何の知識もなく、島の方にご協力いただいて、開墾し畝を作るところからスタートしました。今は野菜やハーブ、綿などを無農薬・無肥料、土の恵みで栽培しています。畑の仕事は想像以上に体力を使い、腰がもげそうになりながら汗だくでの作業です。
テレワークだと座って仕事をすることが多いので、身体を動かして土に触れることでリフレッシュできます。パソコンに触ってON、自然を感じてOFFと切り替えが素早く出来るのも壱岐でテレワークをする利点の一つですね。
Q4. あなたにとっての壱岐を一言で表すならなんですか?
「大きな自然に囲まれて自分を取り戻せる場所」だなって思います。
自分で作った野菜を食べる、またその野菜を人と交換し合う、そんな日常生活によって人間らしい自分を取り戻せている気がします。壱岐の人にとっては当たり前だけど、わたしにとっては当たり前ではない生活が癒しであり、幸せを感じます。
都会に住んでいれば、お金を払えば大抵のものはすぐに買えるし、何時でも飲食店が営業しています。一方ここではすぐに欲しいものが手に入らないこともあるし、行きたいときに飲食店がどこも開いていないということもしばしば。そんな不便さも楽しみながら暮らしていています。
フェリーで福岡と唐津を行き来しながら仕事をして、その土地の人と触れ合って美味しいものを食べて、楽しんで暮らしていきたいです。
Photo by 髙田望
【壱州人辞典とは】
地元出身者・移住者・年齢・性別問わず、“壱岐に住む(暮らしている)人”を紹介していく企画です。
壱岐島の良さを伝えるには、その地に暮らす人にフォーカスを当てることが大切だと考え、魅力的だと感じる人を紹介していくことで「この人に会ってみたい。」「この人に 話を聞きたい。」という興味を持ってもらい、人が人を呼ぶようなサイクルを作りたいと思っています。
人から人へと辿っていくことで、私たちが知らない、壱岐の人もあまり知らない面白い人に出会いました。
~壱州人辞典一覧はこちらから~