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[壱州人辞典 No. 73]画家:コガワ健太

-幼少期から絵を描いて人を楽しませる事が好きだった。仙台市のデザイン専門学校へ進学後、グラフィックデザインの勉強に励み主席で学校を卒業した。描く絵のコンセプトは”無中心的”。それは生き物や自然・人工物含め万物は平等・中立的であり、主役のいないそれらが構成する世界。“主張しないという主張”を表現している。故に、コガワ氏の絵とはただ存在するだけのものであり、見る人の中に生まれる発見や感情の表出をもって作品が完成する。青森県青森市出身。2020年に壱岐に移住、芦辺町在住。-

 

Q1.壱岐に来るまでは何をしていましたか?

専門学校を卒業した後、京都のゲーム会社に入社して10年間ゲームの2Dグラフィックデザインでキャラクターデザインや画面デザインをしていました。その後はIT企業に転職してアートディレクターを務めました。その流れで東京へ上京、東京時代はUI/UXデザイナーとしてWebやアプリの画面設計を行っていました。デザイナー歴でいうとトータル14年ですかね。
小さい頃から絵を描くのが好きで自由帳にオリジナルゲームを描いては友達にやってもらっていました。これが原体験となり、絵を描く事と人を楽しませる事が大切な価値観としてありますね。
細かい作業が昔から好きで。高校時代は情報系の学校でドットを使って絵を描いていたんですよね。

高校の卒業制作で作った“ドット絵”のゲーム。これがきっかけで憧れだったゲーム業界へ就職した

 

ゲーム業界では様々なキャラクターを扱う仕事させてもらったのですが、それぞれレギュレーション(規則)を守らないといけないんですよね。その時に線の取り方とか色の扱いを学び技術の幅は広がりましたね。(笑)
でもやっぱり一番好きなのはペン画ですね。ウォーリーを探せとか迷路が好きで真似して描いたり。2〜3歳くらいから、この絵のテイストは変わってないんですよ。これが一番自分の発想を表現しやすいんです。

 

代表作のペン画「3cmの塔」作家と作品の関係性は『対話』であり、対話した結果的に作品が生まれる。

 

 

Q2. これから壱岐でどんなことをやっていきたいですか

絵を描くことが好きな人が潜在的に多いなと感じています。自分もそうでしたが、子供の頃に絵を描く環境が整っていたり、画材の使い方を教えてくれる人がいたり、描いた絵を見せあったりすると、どんどん成長していくじゃないですか。これからの時代は一芸を持つことが大事になると思うし、『得意な分野を伸ばす』そういうところの手助けがしていきたいなと思っています。

僕も昔から絵が上手かった訳ではなくて、最初は人よりちょっと上手いくらいだったんですよ。そこから成功体験の積み重ねで今に至っただけなので。多様性の時代、もっと色んな事をやってほしいな。
絵を描くってオタクっぽいとか地味っぽいっていうイメージがあるかもしれませんが、人を笑顔にしたり大きな仕事につながったり、すごい可能性のある能力だと思うんです。その可能性に蓋をするっていうのはもったいないですよね

 

コガワ家の家訓は「手に職」だという。

 

Q3. 壱岐に来て良かったなと感じる瞬間はいつですか

通勤の満員電車から解放された事かなあ(笑) あと健康的な生活になりましたねぇ、なんかおじいさんみたいだなあ(笑)
あとは事業を経営してる人が多いので、いいねって思ってくれる人がいたら、すぐ仕事に繋がって話が早いです。それは壱岐にきてとても良かった事ですね。人同士が繋がってるから信頼もしやすい、おかげで出来る事がたくさん増えました。
他に良かったと思うのは、災害が少ない事ですね。地盤がしっかりしていて歴史に残るような大災害は少ないので、古い文化が何年も残っている。それも壱岐に移住した理由の1つです。

 

 

その時の気分によって、見る場所が変わり常に新しい発見があるように描いているという。
“絵と対話する”、作者同様そんな気持ちで絵に親しんでもらいたい。(オススメはトイレの壁に飾る事)

 

 

Q4. 島外との違いを教えてください

独特な『島時間』が流れているなと感じますね。あとは空気が綺麗、人よりも動物の声が聞こえるところですね。
あとスーパーに行ったら知り合いに5人くらい会っちゃう(笑)なんかその身近さ、人との距離感に安心感を覚えますね。人との交流が少ないっていう今の都会が異常なだけで、よく考えたら人類ってそうやって進化してきましたからね。本来の人間の形に戻れる場所じゃないかな。
壱岐は僕の描く世界のように中心の無い世界みたいだなと、今は感じています。後付けかもしれないけど、初めて訪れた時にどこか感じていたんだと思います。

 

自宅のアトリエ。ここで絵と対話しながら作品を生み出している。自分の思想を言語化することも画家の仕事の1つだという。

 

Q5. あなたにとっての壱岐を一言で表すなら

気付かせてくれる島かな。

色んなものがあるっていうのは、何もないというのと似ていると思うんです。
故にどこに行って何をするかで、自分に返って来るものが変わる。壱岐の島も、無中心的である僕の絵と同じように見るたびに新しい発見がある。良くも悪くも”何もない”し”全てある”と思います。
空の表情ひとつとっても同じ表情はないし、釣りにしても釣れる魚はいつも違う。その都度違うからこそ、変化を楽しめる島かなぁ。都会みたいに情報量が多くないシンプルな生活なので、日常の変化に気づきやすいですよね。

 

 

Photo by 髙田望


【壱州人辞典とは】

地元出身者・移住者・年齢・性別問わず、“壱岐に住む(暮らしている)人”を紹介していく企画です。
壱岐島の良さを伝えるには、その地に暮らす人にフォーカスを当てることが大切だと考え、魅力的だと感じる人を紹介していくことで「この人に会ってみたい。」「この人に 話を聞きたい。」という興味を持ってもらい、人が人を呼ぶようなサイクルを作りたいと思っています。
人から人へと辿っていくことで、私たちが知らない、壱岐の人もあまり知らない面白い人に出会いました。


~壱州人辞典一覧はこちらから~

壱州人辞典 | いきしまぐらし 【壱岐市公式】 – Part 4 (ikishimagurashi.jp)

 

 

≪この記事を書いた人≫

ごーちゃんさん

栃木県生まれ。東京→福岡→札幌→東京→大阪を経て壱岐に移住。趣味は釣りとサウナ。

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