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[ 壱州人辞典 No. 50] あかり屋:角谷透

-壱岐市勝本町出身・在住。普段は4時半起床、5時から9時まで勝本漁協の競りに参加、11時頃まで鮮魚出荷の仕事をしたあと、夕方まで店の食材の買い出しや仕込みをしている。18時の開店から早くて23時閉店まで新鮮な魚料理や、やきとりを提供している。平均睡眠時間は約3時間と過密スケジュールの中、睡眠時間を確保する為に意識して空白時間を作るも、気付いたら新商品を作ってしまう根っからの仕事人。思い入れのある魚種は沢山あるが、その中でも“ヒゲダイ”と“クエ”が好き。妻の麻帆さんとは、壱岐に帰ってくる直前に職場の飲み会で出会う。令和3年7月末に第1子(長女)が誕生。-

 

Q1.なぜ壱岐でその仕事(活動・企画・イベントなど)をしようと思いましたか?

お店をしたいと思ったのは、“もともと壱岐から出たくなかったから”です。

ずっと出たくなかったけど、その頃主な就職先だった福祉や建築関係の仕事は自分には向いていないと思い、小さい頃から好きだった車の整備学校に行きました。でも、将来的に整備工場で独立したいと思ったら、多額の資金が必要だと知り、現実的では無かったので諦めました。

その頃、ちょうど行きつけのやきとり屋があり、大将に「やきとり屋は、いくらあればできる?」と聞いたら、「500万円くらいでできるよ」と言われ、「じゃあ俺、やきとり屋やるけん!!」っていう話になりました。当時まだ19歳で、今思えば安易な考えでしたね(笑)

それから別の知り合いのやきとり屋で19歳から25歳までの間、働かせていただいていました。お店を任せてもらっていたことと、30歳までに開業したい想いがあって25歳で壱岐に帰ってきて、その年に開業しました。

“お店を出したい”というより、“独立できる仕事を探したら飲食業に入っていた”ということです。結局、島に居続けることが目的だったので方法はなんでも良かったんです。

 

Q2.壱岐で事業を行っていて、どこにやりがいを感じますか。

壱岐には材料やアイテムが無限にあって、扱いたいものがいっぱいある!と思い、素材がありすぎて、逆に困りました(笑)

それでなかなか量販店さんには並ばない、例えば生きたオコゼのような変わった魚を仕入れたくて競りに行き始めました。

それから色々な経緯があり、お店とは別に鮮魚を全国に出荷する仕事を頂き、全国の市場や仲卸さんとお取引を始めるようになりました。高級料亭やミシュランの星付きのお店を顧客に持つような、高級な魚屋さんと毎日お取引をさせて頂く中で、魚を扱う姿勢や島内だけでは味わえない“価値観”を感じて、その頃からより魚が楽しくなってきましたね。

やきとりも面白いですけど、今は魚の方もやりがいを感じています。

 

 

Q3.これから壱岐でどんなことをやっていきたいですか?

しばらくはお魚に力を入れていきたいですね。

居酒屋で魚の仕事を広げようと思うと限界が見えてきますが、飲食業で培った知識を魚屋に転用すると結構面白いと思うんです。料理から入っているから、色々な食べ方をお客様に提案できるし、更にこれからはSDGsの観点からも冷凍技術がどんどん進化してくると思います。

例えば、このご時世、旅行や外食に行けずにストレスを感じている方も多いと聞くので、ホームパーティ用に『手巻き寿司セット』を凍結して全国のご家庭に発送して、結果として、世の中が落ち着いた時、壱岐へ行ってみたいなーっていう動機に繋がったりすれば面白いですよね。ちなみにこれ全部妄想で喋ってます(笑)

 

 

Q4.あなたにとっての壱岐を一言で表すならなんですか?

壱岐ってみんなにとって「母体みたいな島」っすよね。

優しくて穏やかなんですよね。DNA的にも土地が平坦で食べ物が豊富な土地の方が、人が優しいらしいですよ。

 

あと、これからの壱岐は「連携」だと思っています。事業に限っていえば、相性が良い事業者同士をマッチングできれば、新しい事業が見えてくることもあります。

例えば魚屋さんが急速冷凍の機械を使うと仮定して、観光のお客様が遊漁船で釣ってきた魚を処理・加工して、急速凍結。お土産用に自宅に発送するサービスなんかもWINWINで喜んで頂けそうですよね。

国や大きな会社が社員に副業を薦める時代なので、色々な働き方が島を面白くするのではないでしょうか。

でもアイディアはうまくいっても1~2割しか当たらないと思っています。逆にその1~2割が当たれば次に繋がるので、今は思いついた事をすぐに行動に移して、その結果どうだったかしかないですね。

Photo by 髙田望


 

【壱州人辞典とは】

地元出身者・移住者・年齢・性別問わず、“壱岐に住む(暮らしている)人”を紹介していく企画です。
壱岐島の良さを伝えるには、その地に暮らす人にフォーカスを当てることが大切だと考え、魅力的だと感じる人を紹介していくことで「この人に会ってみたい。」「この人に 話を聞きたい。」という興味を持ってもらい、人が人を呼ぶようなサイクルを作りたいと思っています。
人から人へと辿っていくことで、私たちが知らない、壱岐の人もあまり知らない面白い人に出会いました。 

 

~壱州人辞典一覧はこちらから~

壱州人辞典 | いきしまぐらし 【壱岐市公式】 – Part 5 (ikishimagurashi.jp)

≪この記事を書いた人≫

はんこさん

福岡県出身・宮古島育ち。けしごむはんこ作家と壱岐市地域おこし協力隊として活動。
壱岐での愛称は「はんこちゃん」

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