-壱岐市芦辺町出身、勝本町在住。生誕から中学1年生まで壱岐、中学2・3年生は対馬、高校3年間を再度壱岐で過ごした後、福岡の大学へ進学。卒業後は40数年大阪で過ごし、2015年に中津神社の総代長に任命され、単身帰郷。中津神社にある記念碑には、書道家である妻:平山祐彩が書いた隷書文字(れいしょもじ)が使われている。釣りが大好きで最近の釣果は「ヒラス」「クエ」「ヒラメ」等。-
Q1.どんな仕事or活動をしているのか教えてください
中津神社の総代長をしています。子ども時代は親の仕事の都合で転勤が多くて、実質壱岐にはそんなに住んでいません。でも「総代をしてくれ。」という依頼があって、それなら受けましょうと帰ってきました。壱岐にいる時には神社や歴史に興味はありませんでしたが、帰ってきた時に「わが故郷は綺麗だ!」と思いました。
この中津神社は“式内社“という平安中期、延喜式神名帳記載された神社です。壱岐には24社あり、その内の1つに当たります。対馬には30社あり、遠くは伊豆にもあります。
中津神社では1年に4回お祭りがあり、大祭では宮司を7人呼んで神楽を舞ってもらいます。神楽は畳2帖で舞います。そこから出たらだめなんです。ここでは畳は2帖だけ向きを変えています。その祭りや神楽のスケジュールや神社内の管理を6年間します。1年目は神社の飾りや式、お供え物の順番や飾りの向きなど、何もわからず大変でした。次の総代長のためにも全部絵に描いてまとめて渡そうと思っています。
Q2.島外との違いを教えてください。
壱岐と対馬の違いは、壱岐の人は取っ掛かりは良いんです。人当たりはすごく良い。対馬はそういうのはないけど、奥はなくストレートな人が多かったですね。だから人間的に信頼しやすい。
壱岐の学校ではテストの度、成績順が貼り出されるから、みんなシャカリキになって10番以内のエリートを目指して勉強していました。対馬の中学校に行ったら、試験のことなんて何にも言わないの。壱岐は人間性的に競争だから試験が終わると「何点だった?」とすぐに聞かれます。対馬は試験が終わって「何点だった?」なんて話したことないです。(笑)対馬はあるべき姿で平和でしたね。
あと対馬の落ち着いた言葉遣いに対して、壱岐の中では土地で言葉も違います。それも違いですね。
都会の生活との違いは“辛抱の違い”です。
例えばA地点からB地点に出かけようとする時に、都会は車に電車、地下鉄、タクシーと選べるものがありますが、田舎は車が無かったら歩くしか選択肢がないから二者択一です。選べる道が少ないから、不便だと思う人は都会に帰りたくなるはずです。壱岐にいたら、なんでも自分でできるようになります。ちょっとした家の修理もみんな自分でするようになるし、しなきゃならない状況になります。
あとは道の雑草も全部名前があって、その名前が分かるようになるだけでも勉強になるし楽しいです。歴史も地層もなにかひとつ特化すると、どんどん勉強したくなって、それから広がっていきます。
Q3.あなたにとっての壱岐を一言で表すならなんですか?
「全部」ですね。
もともと自然が好きだから、自然と寄り添って生きるのが、すごく嬉しいです。だから都会にはここ数年は行ってないし、友達もいるけど、行かないです。会いたかったら、ここに来てって思います。
釣った魚を料理して食べる、それがもともとの趣味です。大阪時代、料亭の料理人をしている釣り仲間がいて、釣った魚を捌いて食べさせてくれました。それに感動して料理を教えてもらって、今では釣った魚をどう美味しく食べようかっていうことが、まず頭に思い浮かびます。
それに「釣りは人生そのもの」です。
全動物には知恵があって、魚には人間と同じくらい知恵があるから、経験をして魚も賢くなっていきます。だからそれ以上に人間が勉強して、釣り方を変えていかないと思うように魚は釣れないです。
海を見ていたら本当に疲れが取れます。壱岐に帰ってきた時には誰とも友達にならないで、釣りばっかりしよう!と思っていましたが、釣り場に行けば釣りに来る人と話して友達になって、それがどんどん増えて今はいっぱい知り合いが出来ました。(笑)
Photo by 髙田望
【壱州人辞典とは】
地元出身者・移住者・年齢・性別問わず、“壱岐に住む(暮らしている)人”を紹介していく企画です。
壱岐島の良さを伝えるには、その地に暮らす人にフォーカスを当てることが大切だと考え、魅力的だと感じる人を紹介していくことで「この人に会ってみたい。」「この人に 話を聞きたい。」という興味を持ってもらい、人が人を呼ぶようなサイクルを作りたいと思っています。
人から人へと辿っていくことで、私たちが知らない、壱岐の人もあまり知らない面白い人に出会いました。
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壱州人辞典 | いきしまぐらし 【壱岐市公式】 – Part 3 (ikishimagurashi.jp)