-高校卒業後に壱岐を離れ、若い頃、バックパッカーでアメリカ一周の1人旅体験。フラワーデザインの修行や留学等も経てヨーロッパ、アジア、オーストリアなど、海外での仕事経験を積む。平成15年に帰島、一支國研究会に入会し壱岐の歴史や文化、名所旧跡について学んだ。その後、一支國研究会の理事長になり、原の辻ガイダンス、一支国王都復元公園の委託業務の運営を11年間務めた。現在は一支国シーカヤック等の運営をする傍ら“ゆったりと時を過ごす”と言う、究極の豊かさを体験できるソロキャンプ施設「一支国 CAMP style」の事業を立ち上げている。壱岐市芦辺町出身。-
Q1.島外で暮らした経験が今の暮らしに生きていることはありますか?
高校までを壱岐で過ごして、当時は今より情報が少ない中で、“海外を見てみたい”と思ってね。海外の人々に、「壱岐はどんなところですか」と聞かれるんだけど、全く答えられなくて。壱岐の魅力を何もしらなかったんだよね。でも海外の人は自分の国とか地域の自慢を誇りにする。自分にはそれはなかったんです。恥ずかしい事です。子どもが中学校に上がる時、壱岐に戻ってきて、それから壱岐の勉強をさせてもらった。そこで壱岐にある弥生時代の原の辻遺跡が、国の特別史跡で非常に歴史的に深い場所だというのを初めて知ったわけよ。
Q2. 壱岐のこれが凄い!と思うところはどこですか?
一番は歴史・文化!自然もそうだけど、海外のスケール感に比べたら壱岐のボリュームは大した規模じゃないよね。ただ歴史・文化はもう「ここにしかない」というのが一番の魅力、凄いところかな。オンリーワンの発想ですね。日本人はいろんな西洋文化を真似るけど西洋の人はそうではなくて、日本文化が魅力的なんよ。日本文化を追求することが、海外の人にとっての魅力。原の辻遺跡の歴史というのは今も残っているんだから、これを大切にしていくのが本当の意味での壱岐の人たちの誇りだと思っています。ひとびとの暮らし、歴史・文化を記録として残すことが一番大切だよね。
※本人提供
Q3. なぜ壱岐でその仕事をしようと思いましたか?
海外で色んな人にお世話になって、それを壱岐に来島する方々に恩返しの意味で何か出来ないだろうかということで色々取り組んでいます。“与えられた環境を活かしたい”と思っているんだよね。「一支国 CAMP style」を作っている幡鉾川(はたほこがわ)は歴史的に非常に意味のある場所なんで、それを活かすべきということで。ここで“ゆったりと時を過ごす”っていう本当の意味での心の豊かさ。自分の時間を大切にする体験を享受してほしい。その為には施設をいくら豪華にしても意味がない、この歴史・文化と景色がメインなんですよね。
あとは… “子どもの頃にやりたかったけど出来なかった事をしてみたい”っていう夢の実現もあるかな。いろんな思いが複合しながら、この環境をぜひ活かしたい。もっと知ってもらいたいって思っています。
※本人提供
Q4. 島外からの移住者に対してどのような印象を抱きますか?
若い移住者が来てくれて本当にありがたいし、反面いいのかなと思うけど、そこで生活がうまく出来ること、定住してくれることを願っているんよね。原の辻遺跡は交易をしながら形成され“交流の拠点”として確立されたんで、島の人は、訪れる人を受入れ歓迎する雰囲気はあると思うんよね。頑張ってほしいよ、やけん力になれることがあったら協力してあげたいなーっていっつも思う。やっぱり、生活力と、目的が大事かな。この環境をどう生かせるのか、考えてもらってね。
Q5. あなたにとっての壱岐を一言で表すなら
「最高の島でしょ。笑」
歴史・文化があって自然があって食が豊かで災害も少ない。そういう、ある程度の豊かさがあって、ある程度の環境も整って、なんか求めるものがあればちょっと福岡に出ていけばいいんで。最高の島でしょ。
Phpto by 髙田望
【壱州人辞典とは】
地元出身者・移住者・年齢・性別問わず、“壱岐に住む(暮らしている)人”を紹介していく企画です。
壱岐島の良さを伝えるには、その地に暮らす人にフォーカスを当てることが大切だと考え、魅力的だと感じる人を紹介していくことで「この人に会ってみたい。」「この人に 話を聞きたい。」という興味を持ってもらい、人が人を呼ぶようなサイクルを作りたいと思っています。
人から人へと辿っていくことで、私たちが知らない、壱岐の人もあまり知らない面白い人に出会いました。
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