-高校卒業後、福岡のビジネス専門学校を経て、24歳で小さい頃からの夢だった歌手を目指し上京。六本木や赤坂の会員制ラウンジなどで歌い続けるが、ある時、ふと“自分の居場所はここじゃない“と福岡へ。たまたま帰省した時に祖母の介護をする母を見て、いずれ自分も親の面倒を見なくてはと気付く。その頃、中学校の同級生だった夫と運命的な再会を果たし、結婚したのを機に28歳でUターン。得意なスポーツはバレーボール。壱岐市郷ノ浦町出身。-
Q1.壱岐で今どんなことをやっていますか?
主人が美容室を経営していて、その補佐をしていましたが、家を建てたのを機に自分たちが食べるための菜園を始めました。目の前に休耕地が広がっていることから、自分たちだけじゃなく周りの方を笑顔にしたい、安心で安全な野菜を届けたいと思い、2020年の夏から「未来派アグリプロジェクト」という誰でも参加型のプチ農活システムを立ち上げました。
Q2.なぜ壱岐でその仕事(活動・企画・イベントなど)をしようと思いましたか?
お店の開業から14年が経過し、壱岐の人口は大幅に減少する一方で同業者は増加。このままではいけない、何か新しいチャレンジを!人口を1人でも増やすには?と一念発起。元々夫婦共に比較的健康志向でしたが、私の両親をこの10年の間に病気で亡くし、更に食への関心が高まっていました。
「私の体は今日食べたものでできている。」そこから、まず美容と健康にいい野菜の代表格、ニンニクに目をつけ、土作りから栽培を始め、今年で4年目になります。毎年自家採種を繰り返し、種からの栽培にこだわり無農薬、無化学肥料、無除草剤で愛情を持って育てています。今年初挑戦の和綿(国産オーガニックコットン)も芽が出たばかりで成長が楽しみです。他にも様々な野菜や果樹を育て、旬なものを食べることを大切にしています。
人を巻き込んで農業をしているのは、本業を疎かにはできない、義母と私たち夫婦3人で拡大するには、とんでもない労力が必要という、なかなか作業が進まない状況の中で考えつきました。
農業はきついというイメージがあると思いますが、自分の空いた時間に仲間たちと好きなだけ参加できて、その対価が採れたての野菜だったら喜んで参加してもらえるのではないか?私たちにとっても、人手は本当に助かり、何よりも“一緒に自らの手で作り、収穫し味わう喜びをたくさんの方に体験してもらえたら、きっと心が豊かになる”と思ったからです。
私も義母の家庭菜園で、初めて野菜を収穫した時の喜びを、今でも鮮明に覚えています。食べられる分だけ収穫できる喜びは何ものにも代えがたいです。それを満たしてくれる素晴らしい環境がこの壱岐には十分なほどあります。
「未来派カゾク農園」という名前は、これまで私たち夫婦が日常だと思っていた生活スタイルが実はほとんどの方からすると非日常で、「アナログスタイルへと進む(戻る)未来派だよ!」と周りに指摘されたことから発案しました。カゾク=仲間で、“皆の力で作り上げる”ということに重きを置いているので、島民、移住者、観光客、老若男女問わず、一度でも参加してもらえたらカゾクの一員だと思っています。
※本人提供
Q3.好きな場所はありますか?
正直に言うと子どもの頃は壱岐が嫌いで、高校卒業後も島を出たくて出たくて仕方なかったです。だから帰って来るのにも少し躊躇しました。でもいざ暮らし始めると壱岐の良さに気付かされ、今ではもう都会での生活は考えられないほどです。
子どもができて一緒に壱岐中をドライブして、特に好きな場所は初山の久美ノ尾辻です。時期になると菜の花と桜が広がって、すごく綺麗なんです。
Q4.壱岐にこれがあったら(出来たら)良いなと思うものはなんですか?
自然をうまく利用した施設があったらいいなと思います。壱岐は海の印象が強いと思いますが、高い山はなくても、ほどよい山はあります。うちの裏山も伐採中で子どもたちが常に集える、遊び心のある場所を作っている途中です。“無いなら、自分たちで作ってしまおう!”という発想です。ツリーハウスも作りたいと思っています。
Q5.あなたにとっての壱岐を一言で表すならなんですか?
「自給自足を愉しめる島」です。
自給自足ができる島なら全国津々浦々あると思うんですが、壱岐は今のところ野生鳥獣被害も少なく、天候にも恵まれているため色んな作物を育てることができます。そして、自然災害もそんなに多くはないので、心から農業を愉しむことができる島だと自信を持って言えます。
都会に疲れて、自然に・太陽に・風に・土に癒されたい方は、ぜひ壱岐を選んで下さい。一緒に未来派農業を愉しみましょう!!
未来派カゾク農園「@miraihakazoku」で検索してください。
【壱州人辞典とは】
地元出身者・移住者・年齢・性別問わず、“壱岐に住む(暮らしている)人”を紹介していく企画です。
壱岐島の良さを伝えるには、その地に暮らす人にフォーカスを当てることが大切だと考え、魅力的だと感じる人を紹介していくことで「この人に会ってみたい。」「この人に 話を聞きたい。」という興味を持ってもらい、人が人を呼ぶようなサイクルを作りたいと思っています。
人から人へと辿っていくことで、私たちが知らない、壱岐の人もあまり知らない面白い人に出会いました。
~壱州人辞典一覧はこちらから~