➖地域の味を支える営業の仕事
壱岐の食卓を裏側から支えるのは、静かな情熱を持つ営業マン。地元で食品卸の営業を行う植村さんは、取引先の声に耳を傾けながら、“食”を通して人と地域をつなげている。➖
Q4. 休日はどのように過ごされていますか?
A. 休日でも、ついパソコンに向かって数字を見てしまうことが多いです。売上や経費、利益率などをグラフにして整理するのが好きなんですよ。営業の仕事をしていると、日々の動きがそのまま数字になって表れる。“1週間頑張ったら、これだけの成果になったんだ”と実感できるのが嬉しいですね。利益がしっかり出たときは素直に“やったな”って思います。
Q5. 一方で、父として息子さんとの時間を一番に大切にされてきたんですね
A.小さい頃から息子がバスケットボールをしていて、試合があるたびに応援に行っていました。最近は年頃になって、あまり遊んでくれなくなったんですけどね(笑)これからは一緒にスポーツ観戦とか、ちょこちょこ行けたらいいなと思っています。春から福岡の専門学校に進学して理学療法士を目指すので、楽しみでもあり、やっぱり寂しいです。
Q6. 今後やってみたいこと、目指す未来は?
A. 壱岐は麦づくりが盛んで、麦焼酎の酒蔵もたくさんあるんです。ただ、島内には“精麦(麦を削って磨く工程)”ができる工場がまだない。だから、壱岐で精麦ができるような工場をつくりたいと考えています。
今は焼酎に使う麦を本土に送って精麦してもらっているんですが、もし壱岐に工場があれば、地元で生産から加工まで完結できる。コストの削減にもつながりますし、何より“壱岐産の麦”として地域ブランドを強めることができると思っています。
Q7. 最後に、植村さんにとって“壱岐”とは?
A. 『受け継いでいかなければならない場所』です。
先人の方々が築いてきた壱岐の土台を、今いる私たちがしっかりと成長させていく。
そういう気持ちで、これからもこの島で仕事を続けていきたいと思っています。
壱岐の自然と人の想いが生み出す味を、次の世代へ。
植村さんの静かな情熱は、今日も島のどこかで“おいしい日常”を支えている。
[インタビュー、文:渡邉美穂、写真:飯塚綾未]
【壱州人辞典とは】
地元出身者・移住者・年齢・性別問わず、“壱岐に住む(暮らしている)人”を紹介していく企画です。
壱岐島の良さを伝えるには、その地に暮らす人にフォーカスを当てることが大切だと考え、魅力的だと感じる人を紹介していくことで「この人に会ってみたい。」「この人に 話を聞きたい。」という興味を持ってもらい、人が人を呼ぶようなサイクルを作りたいと思っています。
人から人へと辿っていくことで、私たちが知らない、壱岐の人もあまり知らない面白い人に出会いました。















