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[壱州人辞典 No.119]長米株式会社壱岐支店所長:植村 光司さん

➖地域の味を支える営業の仕事
壱岐の食卓を裏側から支えるのは、静かな情熱を持つ営業マン。地元で食品卸の営業を行う植村さんは、取引先の声に耳を傾けながら、“食”を通して人と地域をつなげている。➖

 

 

 

 

 

 

 

Q1. 現在はどのようなお仕事をされているのですか?

A.  壱岐で食品の卸売業をしています。
一般家庭向けの商品から、スーパー・飲食店・ホテルなどの業務用食品まで幅広く取り扱っています。
地元の農家さんやJAから仕入れたお米を精米し、飲食店や宿泊施設などへ届けています。
営業の仕事は、お客様の“困りごと”を解決することだと思っています。
『この商品が欲しい』『価格を調整できないか』といった要望を受け、最適な提案をしていく。
パン屋さんから“国産小麦がほしい”という相談を受けることもありますね。

Q2. オリジナルのグッズも販売されているのですね。

A. はい。壱岐のお土産として、自分でデザインした帽子を販売しています。
壱岐の名所・猿岩をモチーフにしたオリジナルデザインで、お土産店に限定で卸しています。
壱岐におしゃれなお土産が少ないなと思って、自分でデザインを考えて業者さんにお願いしました。
観光客の方が“壱岐の思い出”として手に取ってもらえたら嬉しいですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Q3. 壱岐のお米の魅力はどんなところにあると思いますか?

A. 壱岐のお米は本当に美味しいです。
昼と夜の寒暖差があって、稲作にちょうどいい環境なんです。有名産地ほど知られていませんが、壱岐の農家さんはみんな情熱を持って米づくりをしていて、その想いが味に表れていると思います。
実は、私自身も「お米ソムリエ」の資格を持っているんですが、全国各地のお米を食べ比べても、壱岐米は香りや甘み、粘りのバランスがとても良い。
島の気候だけでなく、農家さん一人ひとりの“感覚”と“こだわり”が生み出す味だと思っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

Q4. 休日はどのように過ごされていますか?

A. 休日でも、ついパソコンに向かって数字を見てしまうことが多いです。売上や経費、利益率などをグラフにして整理するのが好きなんですよ。営業の仕事をしていると、日々の動きがそのまま数字になって表れる。“1週間頑張ったら、これだけの成果になったんだ”と実感できるのが嬉しいですね。利益がしっかり出たときは素直に“やったな”って思います。

 

Q5. 一方で、父として息子さんとの時間を一番に大切にされてきたんですね
A.小さい頃から息子がバスケットボールをしていて、試合があるたびに応援に行っていました。最近は年頃になって、あまり遊んでくれなくなったんですけどね(笑)これからは一緒にスポーツ観戦とか、ちょこちょこ行けたらいいなと思っています。春から福岡の専門学校に進学して理学療法士を目指すので、楽しみでもあり、やっぱり寂しいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Q6. 今後やってみたいこと、目指す未来は?

A. 壱岐は麦づくりが盛んで、麦焼酎の酒蔵もたくさんあるんです。ただ、島内には“精麦(麦を削って磨く工程)”ができる工場がまだない。だから、壱岐で精麦ができるような工場をつくりたいと考えています。
今は焼酎に使う麦を本土に送って精麦してもらっているんですが、もし壱岐に工場があれば、地元で生産から加工まで完結できる。コストの削減にもつながりますし、何より“壱岐産の麦”として地域ブランドを強めることができると思っています。

 

Q7. 最後に、植村さんにとって“壱岐”とは?

A. 『受け継いでいかなければならない場所』です。
先人の方々が築いてきた壱岐の土台を、今いる私たちがしっかりと成長させていく。
そういう気持ちで、これからもこの島で仕事を続けていきたいと思っています。

 

 

 

 

 

 

 

壱岐の自然と人の想いが生み出す味を、次の世代へ。

植村さんの静かな情熱は、今日も島のどこかで“おいしい日常”を支えている。

 

 

[インタビュー、文:渡邉美穂、写真:飯塚綾未]

 

 

 

【壱州人辞典とは】

地元出身者・移住者・年齢・性別問わず、“壱岐に住む(暮らしている)人”を紹介していく企画です。
壱岐島の良さを伝えるには、その地に暮らす人にフォーカスを当てることが大切だと考え、魅力的だと感じる人を紹介していくことで「この人に会ってみたい。」「この人に 話を聞きたい。」という興味を持ってもらい、人が人を呼ぶようなサイクルを作りたいと思っています。
人から人へと辿っていくことで、私たちが知らない、壱岐の人もあまり知らない面白い人に出会いました。

 

≪この記事を書いた人≫

みほさん

長崎県壱岐市勝本町出身。
2歳の息子とともに地元・壱岐へUターン移住し、2025年10月より子育て支援課に地域おこし協力隊として着任。
壱岐のこどもたちとその保護者が安心して過ごせる“居場所づくり”をテーマに、地域の人や団体と連携しながら活動中。

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